PCやモニターは精密電子部品の集合体であり、長時間の連続稼働やホコリ、乾燥した室内の摩擦によって微弱な静電気が内部基板に蓄積していきます。この電荷がセンサーや回路の誤作動を引き起こし、映像出力をブロックしてしまう現象が「帯電トラブル」です。修理カウンターのスタッフが最初に行う作業の多くは、この放電処置の手順(帯電リセットのやり方)であり、驚くほど高確率で画面が蘇ります。
安全かつ確実に内部電荷を放出するためのステップは以下の通りです。
- PCおよびモニターの電源を完全に切る:電源ボタンを長押しして強制終了するのではなく、可能であればアクセスランプの消灯を確認してシャットダウンします。
- すべてのケーブル類を物理的に抜く:コンセントから電源コードを抜くだけでなく、HDMIケーブル、DisplayPortケーブル、USBハブ、外付けHDD、マウスやキーボードに至るまで、すべての配線を本体およびモニターから完全に抜き取ります。ケーブル経由で微弱な電流が回り続けるのを防ぐためです。
- 完全放置して自然放電を待つ:すべての配線を外した状態で、最低でも5分〜10分程度放置します。ノートPCでバッテリーの取り外しが可能な機種は、バッテリーも外してください。
- 電源ボタンを空押しする:ケーブルを抜いた状態で、PC本体とモニターの電源ボタンを数回(5秒ほど長押しを2〜3回)押します。これにより、コンデンサ内に残存していた微量な電気が回路を伝って放電されます。
- 最小構成で再接続する:モニターの電源ケーブルと、PCとモニターを結ぶ映像ケーブル「1本のみ」を接続し、電源を投入します。USB機器やLANケーブルは画面が映るまで一切接続しないでください。
また、PC本体が起動音を立てておりWindowsが裏で立ち上がっている気配がある場合は、キーボードのショートカットによるグラフィック機能のリセットも極めて強力です。[Windowsキー]+[Ctrl]+[Shift]+[B]を同時に1回押すと、「ピピッ」と短い電子音が鳴り、OSのディスプレイドライバーが強制的に再起動されます。画面ドライバのフリーズによる暗転であれば、このワンアクションで即座にデスクトップが再描画されます。