百人一首2番・持統天皇の改変劇!万葉集と香具山に潜む政治の真相

百人一首2番・持統天皇の改変劇!万葉集と香具山に潜む政治の真相

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この歌を正しく読み解くためには、作者である持統天皇(鸕野讚良皇女・うののさららのひめみこ)が歩んだ壮絶な権力闘争の歴史を知る必要があります。彼女は第38代天智天皇の娘であり、叔父である大海人皇子(後の天武天皇)に嫁ぎました。672年の古代最大の内乱「壬申の乱」では夫とともに吉野を脱出し、軍事・戦略の両面で天武を支え抜いた事実上の共同統治者でした。

天武天皇の崩御後、最愛の実子であった草壁皇子が若くして病没。持統天皇は悲嘆に暮れる暇もなく、孫である軽皇子(後の第42代文武天皇)に皇位を継承させるため、自ら第41代天皇として即位します。その過程では、草壁皇子のライバルと目された有能な大津皇子を謀反の疑いで冷徹に処刑するなど、国家秩序と直系継承のために一切の情を排した鉄の女帝でもありました。

歌の舞台である天の香具山は、彼女が造営を断行した日本初の本格的条坊制首都「藤原京」の東にそびえる神聖な山です。神話の時代に天照大神が天岩戸に隠れた際、儀礼に用いた榊を掘り出した神聖不可侵の霊峰とされていました。新都・藤原京の宮殿から香具山を望む視線には、「自らが打ち立てた新都が神々に祝福され、天下泰平の治世が完成した」ことを内外に知らしめる明確な政治的プロパガンダが込められていたのです。

山本 拓海
著者

山本 拓海

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。