相米演出を語る上で外せないのが、輝かしい少女たちの魅力を極限まで引き出した青春映画の系譜である。デビュー作『翔んだカップル』、そして日本中を熱狂させた『セーラー服と機関銃』では、薬師丸ひろ子の瑞々しい存在感と覚醒した演技を見事に捉えてみせた。
機関銃を乱射した直後に「カ・イ・カ・ン」と呟く伝説のカット。血が顔に飛び散る中、まばたきすら惜しむようにカメラを直視するあのシーンは、まさに少女から女優へと変貌を遂げる一瞬を永久保存したものだ。また、両親の離婚に直面する少女の揺れる心情を描いた『お引越し』など、多感な時期の少女の孤独や成長を描く手腕において、彼の右に出る者はいなかった。