PS Vitaの充電速度が著しく低下したり、ゲージのパーセンテージが全く増えなかったりする背景には、ハードウェアの要求スペックと外部給電環境のズレが存在します。まず真っ先に疑うべきは、充電器から供給されている電流値(アンペア数)の不足です。パソコンのUSBポートや古いスマートフォンの充電器に接続している場合、出力電流はわずか0.5A〜1.0A程度にとどまります。この出力では、PS Vitaが本来必要とする電力水準を満たせず、給電スピードが極端に鈍化します。
特にスリープモードのままWi-Fi通信がバックグラウンドで動作していたり、ゲームをサスペンド状態で放置していたりすると、「消費電力」が「供給電力」を上回ってしまいます。その結果、何時間ケーブルにつないでいてもPS Vitaの充電が増えない原因を作り出してしまうわけです。さらに、ケーブルの内部断線による実効抵抗の増大や、端子部分に溜まった酸化皮膜・ホコリも通電ロスを引き起こす大きな要因です。
電力不足と並んで見逃せないのが、本体内部に組み込まれたリチウムイオンバッテリーの安全機構です。長期間放置されて過放電状態に陥ったバッテリーは、急激な大電流を受け入れると発熱や破裂の危険を伴うため、保護回路が働いてあえて極めて微弱な電流でゆっくりと回復を図る「トリクル充電」へと強制移行します。この状態に入ると、故障と見紛うほど充電の進行が遅くなりますが、これはバッテリーを保護するための正常な防衛反応です。