JICAの実際の業務は、多岐にわたる開発課題に対して以下の「3つの柱」を組み合わせて展開されます。
第1に技術協力です。開発途上国の行政官や技術者を日本に招く「研修員受入」、日本の専門家を現地へ派遣する「専門家派遣」を通じて、現地の自立的な人材育成を支援します。例えば、ベトナムやカンボジアにおける民法・民事訴訟法の法整備支援や、アフリカ諸国における母子手帳の普及プロジェクトなどが代表例です。
第2に有償資金協力(円借款)です。途上国の経済インフラ整備のために、極めて低金利かつ長期返済期間で巨額の資金を貸し付けます。インドの「デリー高速メトロ建設計画」や「ムンバイ・アーメダバード間高速鉄道計画」などは、日本の新幹線技術や土木技術を結集した数千億円規模の巨大プロジェクトです。
第3に無償資金協力です。返済義務のない資金を供与し、病院、学校、給水施設などの基礎インフラの整備や、紛争・災害後の復旧・人道支援を迅速に実施します。
現地に赴任する職員は、こうしたプロジェクトを相手国政府の閣僚級カウンターパートと協議しながら進めます。治安が不安定な地域への赴任では、厳格な安全管理規定のもと、防弾車での移動や外出制限を余儀なくされるケースも珍しくありません。高額な「海外赴任手当」や「危険手当」が支給される背景には、過酷な衛生環境や安全上のリスクが常に隣り合わせであるという現場の実情があります。