タイトルにある「ウタカタ(泡沫)」とは、水面に浮かぶ泡であり、儚く消え去るものの象徴だ。歌詞の中で描かれるのは、現実の苦しみや痛みに溢れた世界を否定し、甘い夢の世界へと人々を誘い込もうとする少女の切実で歪んだ愛である。「ゆめゆめ忘れることなかれ」という古風な言い回しから始まり、現実を「偽物」と切って捨てる強い意志。そこには単なる可愛らしいアイドルの歌声ではなく、新時代を強制的に作り出そうとする圧倒的なエゴイズムが透けて見える。
現実の辛さから目を背けさせ、永遠の夢の中に閉じ込める。一見すると救済の形をとっているが、その実体は自己完結した恐怖政治に近い。この「甘美な毒」のような二面性こそが、歌詞のテキストに深い陰影を与えているのだ。