松岡茉優のキャリアを振り返ると、常に自らの限界を更新し続けてきた歴史が見える。『勝手に震えてろ』で見せた強烈なコメディセンスや、『万引き家族』で世界を唸らせた底知れぬ優しさと寂しさ。そして30代を迎えた今、彼女が選んだ道は、人間の最も根源的な欲求や痛みを隠すことなく身体全体で曝け出す演技だった。
妥協を絶対に許さない役作りで知られる彼女。今回の過激とも言える官能シーンにおいても、肉体的な美しさ以上に「役の心の揺れ動き」を第一に置いたという。ただ服を脱ぐのではなく、人間の愛おしさと愚かさを生々しく描く姿に、現場のスタッフや共演者も深く息をのんだ。