体重が300kgや400kgを超えた先にあるのは、人間の尊厳を揺るがす過酷な日常生活と介護の現実です。ベッドのフレームは自重で歪み、通常の寝具は使えません。立ち上がることはおろか、寝返りを打つことすら自力では不可能です。
日本のテレビ番組である仰天ニュース特集でも度々描かれてきたように、介護者の負担は極限に達します。排泄の介助や清拭、皮膚の壊死を防ぐための体位変換には、成人男性複数人の力が必要となります。皮膚と皮膚が擦れ合う深いひだの間は常に湿気と細菌感染のリスクに晒され、放置すれば重篤な皮膚炎や敗血症を引き起こしかねません。
また、自重そのものが肺や気道を圧迫するため、横になるだけで窒息の危機に直面します。多くの当事者は座った姿勢のまま浅い睡眠をとるしかなく、重度の睡眠時無呼吸症候群と常に隣り合わせの生活を強いられていました。家族や介護スタッフの献身なしには、1日たりとも生命を維持できないのが超重量級肥満の厳しい実態です。