ネット上の掲示板やSNSでは「重曹で拭くと劇的に白くなる」「ホウ酸水で洗えば一発で落ちる」といった民間療法が散見されますが、これらには重大な医療リスクが潜んでいます。
重曹(炭酸水素ナトリウム)は弱アルカリ性であり、皮脂汚れやタンパク質を分解する作用がありますが、犬の皮膚は人間よりも非常に薄くデリケートです。アルカリ性の強い液体が目に入ると角膜上皮を傷つけ、化学性結膜炎や角膜潰瘍を引き起こす危険性があります。
一方、ホウ酸水(2%以下の希釈液)は医療現場でも静菌目的で使用されることがありますが、「すでに赤茶色に染まった毛を白く脱色する効果」はありません。あくまで目の周囲の雑菌繁殖を抑える予防策に過ぎず、調合濃度を誤ると角膜への強い刺激となります。
現在変色している毛は死んだ細胞であるため、薬品で脱色することは不可能です。根本から生えてくる新毛を汚さない環境を整え、変色した毛先が伸びてトリミングで自然にカットされるのを待つのが、最も安全かつ確実な道筋です。