宮脇咲良という稀代のアイドルの歴史を語る上で欠かせないのが、AKB48グループ時代に経験した王道グラビアの時代です。2015年に発売されたファースト写真集『さくら』(集英社)では、可憐な制服姿や初々しいビキニ姿の水着グラビアがふんだんに収められ、当時の日本の受動的な少女アイドル像を体現していました。
当時は男性読者の視線を強く意識した「守ってあげたい儚い少女」としての露出が中心であり、カメラに向かって柔らかく微笑むポージングが主軸でした。しかし、IZONEでの活動を経てHYBE傘下のSOURCE MUSICへ移籍したことで、ビジュアルの方向性は180度転換します。露出の目的が「他者から愛玩されること」から「自分の強靭さを誇示すること」へとドラスティックに変化したのです。
かつての写真集で見せた柔らかな曲線美と、現在の引き締まったマッスルラインを比較すると、アイドル産業における女性身体の見せ方のパラダイムシフトそのものが、宮脇咲良という一人のアイコンの身体の上に刻み込まれていることが見て取れます。