マチルダ・アジャンという人物を語る上で欠かせないのが、戦争の本質を突いた珠玉の名セリフです。アムロから「なぜ補給部隊に入ったのか」と問われた際に返した言葉は、シリーズ屈指の哲学的な名言として知られています。
「戦争という破壊の中で、ただひとつ、ものをつくることができるからかしらね」
破壊に明け暮れる戦場において、前線を支える「補給」という任務に誇りを持つ彼女の気高い精神性を、戸田恵子さんは澄んだ説得力のある声で見事に表現しました。
そして迎えた第24話「迫撃!トリプル・ドム」。黒い三連星の波状攻撃に苦しむガンダムを救うため、自らミデア輸送機でドムの前に割って入り、コクピットを叩き潰されて殉職するマチルダの死亡シーンは、視聴者に強烈な衝撃を与えました。彼女の死はアムロに深い喪失感をもたらすと同時に、「守るべきもののために戦う」覚悟を植え付け、真の戦士へと精神的成長を遂げさせる契機となったのです。