「パトロール歴20年になりますが、立入禁止看板の前で注意しても『ちょっと写真を撮るだけだから』『みんな入っているから』と笑って聞き流す人が減りません。そうした油断の先に待っているのは、二度と戻らない現実です」
長野県内の主要スキー場で活動するパトロール隊員の手記には、現場での生々しい葛藤が綴られています。SNS上や知恵袋などのコミュニティを検証すると、「コース外のパウダーが最高だった」「ロープをくぐったけれど何も問題なかった」といった安易な投稿が散見されます。しかし、これらの声は生存バイアスに過ぎません。
心理学的に見ると、ゲレンデでは「自分だけは事故に遭わない」と思い込む正常性バイアスや、同行者がいることでリスク判断が麻痺する同調バイアス(集団浅慮)が顕著に働きます。特に友人同士のグループや家族連れでは、「誰かが大丈夫と言ったから」という理由で実力に見合わない上級コースや未圧雪ゾーンへ足を踏み入れてしまう心理構造が存在します。