無機質な鉄骨の塊ではなく、見る角度や光の当たり方によってしなやかな表情を見せるデザイン性も高い評価を得ている。デザイン監修を手掛けたのは、世界的な建築家である安藤忠雄氏と、彫刻家の澄川喜一氏だ。両氏が目指したのは、日本伝統の美意識と現代の先端幾何学の完璧な調和だった。
タワーの足元は安定感のある正三角形をしているが、上空に向かうにつれて緩やかに丸みを帯び、地上375メートル付近で綺麗な正円へと姿を変える。この滑らかな曲面には、日本刀の刃先が見せる独特の曲線「そり」と、寺社の柱に見られる中央の膨らみ「起り(むくり)」という伝統的意匠が組み込まれている。美しいシルエットを創出すると同時に、上空の風圧を効果的に逃がすという力学的合理性を両立させたデザインなのだ。