歴史的な転換点となった2009年衆議院議員総選挙。長年の自民党一党優位体制に対する国民の鬱憤(うっぷん)と変革への期待が爆発した瞬間だった。駅頭で配られた色鮮やかなパンフレットには、「国民の生活が第一。」というスローガンとともに、具体的かつ魅力的な政権公約・マニフェストが躍っていた。
民主党は、官僚主導政治の打破と「コンクリートから人へ」の転換を力強く訴えた。有権者は新しい日本の姿をそこに重ね合わせ、300議席を超える圧勝という形で答えたのだ。しかし、この熱狂こそが、後の悲劇の始まりでもあった。政権公約・マニフェストに書かれた膨大な「数値目標」と「期限」は、政権自身を縛る強固な鎖へと姿を変えていく。