現代の縁日やお祭りにおいて、子どもや若者が狐面を頭や顔につけて歩く姿はおなじみの光景です。この風習には、単なるファッションを超えた民俗学的な意味が存在します。
お祭りという非日常(ハレの日)において仮面をつける行為は、日常の自分(素顔)を隠し、神仏の世界とつながる儀礼を意味します。素顔を隠して神使である狐の姿を借りることで、世俗の穢れ(けがれ)を断ち切り、悪霊や病魔の目を欺いて災厄から逃れるという「厄除けの防壁」としての役割を果たしてきました。
また、頭の横や斜め後ろに面をずらして身につけるスタイルは、歌舞伎や祭礼の道中における粋(いき)な着こなしに由来し、「神の加護を背後に背負って歩く」という縁起担ぎの意味合いも含まれています。