ノーベル賞の発表が始まる毎年10月上旬、韓国の主要紙である朝鮮日報や中央日報、東亜日報の紙面は独特の緊張感に包まれる。とりわけ医学生理学、物理学、化学の自然科学3賞で日本人の受賞が決まった瞬間、速報テロップとともにメディアが一斉に動くからだ。
「日本、またも快挙」「自然科学賞で20人以上の受賞者を誇る隣国の底力」。こうした見出しが紙面を飾る裏で、現地デスクの悲鳴にも似た焦りが透けて見える。韓国は過去に政治分野や文学分野での金字塔を打ち立てているものの、科学分野における受賞者は依然として出せていない。この「科学賞ゼロ」の現実は、発表のたびに現地社会へ強烈な劣等感と焦燥感を投げかけている。