現在でこそ世界屈指のラグジュアリーストリートとして知られる南青山みゆき通りだが、1970年代半ばまでは閑静な住宅地と小規模な商店が点在する落ち着いた通りに過ぎなかった。その風景を一変させたのが、このビルへの先鋭的なクリエイターたちの集結だった。
デザイナーの川久保玲が率いる「コム デ ギャルソン」の初期ブティックをはじめ、妥協のない美学を持つブティックやギャラリー、オープンエアのカフェが次々とオープン。迷路のような立体路地を歩きながら服を選び、テラスで語り合うスタイルは、当時のクリエイティブ層を熱狂させた。みゆき通りが世界的なファッションの聖地へと変貌を遂げた原点は、紛れもなくこの場所にある。