「アフタヌーンティーの食べ方には恥をかかないための厳格な決まりがあるのでは」と身構えてしまう方は多いですが、その本質は極めて機能的です。クラシックな3段スタンドにおける食べる順番のルールは、基本的に「下段から上段へ」と進める構造になっています。
味の薄い塩気のあるものから始まり、徐々に濃厚な甘みへと移行することで、最後まで舌が疲れずに美味しく味わえるようコース仕立てで構成されているためです。スタンドから自分の取り皿(プレースプレート)へ移す際は、自分の食べる分だけを1段ずつ取り分けます。スタンドに直接口をつけたり、一番上の甘いマカロンから無造作に手を伸ばしたりすることは、コース料理のデザートを前菜より先に食べるような違和感を与えるため、周囲からもマナー違反とみなされがちです。
ただし、温かい状態でサーブされるスコーンの食べ方には例外があります。スコーンが中段にあり、かつ焼きたての熱々で運ばれてきた場合は、冷める前にいただくのが最も料理への敬意を示す行為とされます。テーブル全体で「温かいうちにスコーンをいただきましょう」と声をかけ合って口にするのは、現代のホテルシーンでも高く推奨されているスマートな判断です。