影山茂夫と霊幻新隆の関係性は、物語の進行とともに「利用する側とされる側」から、より複雑な心理的結びつき、そして「対等な自立」へと昇華していきます。
その最大の転換点となったのが、アニメ第2期でも描かれた「霊幻失脚編」です。モブの成長に伴い距離を置かれ、孤立した霊幻はテレビ番組の罠に嵌められ、世間から「インチキ詐欺師」として大バッシングを受けます。絶体絶命の記者会見の場で、霊幻は自身の虚栄心と向き合い、かつての自分に問いかけます。「俺は何者になりたかったのか?」と。
その会見を生放送で見守っていたモブは、騒動を鎮静化させた後、霊幻に静かに告げます。「僕はずっと最初から、師匠の正体が『いいやつ』だって知ってましたから」。この瞬間、嘘で塗り固められていた師弟関係は、魂のレベルで真実のものとなりました。
そして物語のクライマックスである最終章。自身の深層心理と暴走した力(???%)に呑まれ、街を破壊しながら進むモブを止められたのは、世界最強の超能力者たちでもなく、霊能力を一切持たない生身の霊幻新隆でした。
荒れ狂う嵐の中、命の危険を冒してモブの前に立ち塞がった霊幻は、長年隠し続けてきた最大の秘密を告白します。
「俺の正体は、霊能力なんて何一つ持っていないインチキ野郎だ」
大人としてのプライドも虚飾もすべて投げ捨て、弟子に対してありのままの無力な自分をさらけ出した霊幻。この真実の告白によってモブは自らの影と統合し、暴走を止めることができました。依存から脱却し、お互いを一人の不完全な人間として認め合った二人の姿は、現代の家族・教育関係における「理想的な自立の終着点」と言えます。