現場取材や利用者の口コミ調査を行うと、マイナンバーカードを落としたり持ち歩いたりする中で生じるトラブルには、一定の傾向が存在することが見えてきます。
「病院の自動受付機にカードを置き忘れてしまい、血の気が引いた」(40代会社員)
「子どもに保険証を持たせる際、紛失時の金銭リスクが気になり以前の紙の保険証より精神的負担が大きい」(30代主婦)
警察庁や自治体の報告データによると、実際の盗難・紛失事例で生じている被害の多くは、カードの情報を直接ハッキングされたものではなく、「券面をカラーコピーした偽造カードを用いた不正契約」です。精巧に偽造された券面で携帯キャリアの機種変更やSIMカード再発行が行われ、結果としてオンラインバンキングへ侵入される手口が確認されています。
一方で、ICチップ自体から情報が抜き取られた実被害は、現行の堅牢な暗号化アルゴリズムにより極めて稀です。つまり、持ち歩く際の真の警戒ポイントは「暗証番号の漏洩」と「紛失に気付かず放置すること」の2点に集約されます。