那須温泉郷の最奥部に位置する北温泉旅館の歴史は、およそ千二百年前に天狗が発見したという伝説に端を発します。山深い環境でありながら、現在も年間を通じて多くの温泉愛好家や湯治客を惹きつけてやみません。訪れるにあたってまず把握しておくべきは、天狗の湯の料金や営業時間、アクセスに関する明確な現地ルールです。
日帰り入浴の受け入れ時間は朝8:30から夕方16:30(最終受付15:30)となっており、日帰り利用料金は大人1,000円、子供500円(※2026年取材時点)に設定されています。現地での決済は原則として現金決済が基本となるため、事前の小銭や紙幣の準備が欠かせません。また、宿泊予約に関しては歴史的な木造建築の保全状況に応じた部屋割りが行われており、昔ながらの湯治プランから食事付きプランまで幅広く展開されています。
特筆すべきは、天狗の湯のアクセスと駐車場の特殊性です。那須街道を登り詰めた先にある北温泉専用の駐車場に車を停めた後、旅館の玄関口までは急勾配の山坂道を徒歩で下る必要があります。積雪のある冬期はもちろん、雨天時も足元が滑りやすくなるため、サンダルやヒールでの訪問は事故のもとです。文明の喧騒から一歩ずつ離れ、深山へと分け入るこの10分間のアプローチこそが、日常から湯治空間へと切り替わるプロローグとなっています。