「日常会話で使ったらおじさん・おばさん扱いされるのではないか」という懸念を持つ人は少なくありません。実際、大手アンケート調査やSNS上の投稿データを定点観測すると、現代における受容実態には興味深い二極化が見られます。
文化庁が過去に実施した国語に関する世論調査の推移や、SNS(XやInstagram)の投稿動態を分析すると、10代〜20代における能動的な日常会話での使用率は10%未満にとどまります。この数値だけを見れば「死語」に近い状態と言えます。
しかし、文脈を変えるとまったく異なる景色が浮かび上がります。
- VTuber・アニメ等のサブカルチャー:「ツンデレキャラが主人公にほの字なのが尊い」といった、奥ゆかしい恋心を愛でるスラングとして多用される。
- 昭和レトロ・純喫茶ブーム:看板やメニューのキャッチコピー、エッセイなどで「レトロかわいい言葉」として再評価されている。
- 知恵袋・恋愛相談掲示板:「同僚のあの態度、完全に私にほの字ですよね?」といった、少しコミカルに自己の自惚れを自嘲するニュアンスで現役稼働している。
SNS上のリアルな声を見ても、「露骨に『好き』と言うよりも、からかい半分で『あいつお前にほの字だろ』と言う方が空気が重くならなくて使いやすい」という意見が目立ちます。ストレートな表現を避けて場の空気を和ませるクッション言葉として、今なお確固たる役割を果たしていることが分かります。