観光地における有料アトラクションが増加傾向にあるなか、伊豆わさびミュージアムの入場料は完全無料を維持し続けています。なぜハイクオリティな展示や体験コーナーを無料で開放できるのか、その背景には運営元である山本食品の緻密なビジネスモデルが存在します。
明治38年創業の山本食品は、伊豆天城山麓の清流が育む「本わさび」の加工・販売で業界を牽引してきたパイオニアです。同社がこのミュージアムを構える目的は、単なる入場料ビジネスではなく、日本固有の食文化である「本わさび」の魅力を五感で伝え、直売によるファン化とブランド価値の向上を図ることにあります。
館内には、わさびの生育環境を再現したリアルな展示や歴史資料が並び、知的好奇心を満たす構成になっています。無料でありながら妥協のない展示クオリティを維持できるのは、直営物販コーナーでの高い顧客満足度とリピート率に裏打ちされた強固な事業基盤があるからに他なりません。