2011年6月9日、日本武道館で開催された第3回選抜総選挙。再び1位の座に返り咲いた前田敦子が、過呼吸寸前の激しい呼吸の中で絞り出した言葉は、日本の芸能史に刻まれる名言となりました。
「ひとつだけお願いがあります。私のことが嫌いな方もいると思います。けれど、AKB48のことは嫌いにならないでください」
センターであり続けることに対する凄まじいバッシングやプレッシャー、孤独と戦い続けてきた少女の悲痛なまでの本音でした。自己犠牲を払ってでもグループを守ろうとするその純粋な覚悟に、会場を埋め尽くしたファンだけでなく、テレビ中継を見ていた日本中が息を呑みました。
そして翌2012年3月25日、さいたまスーパーアリーナ公演の最終日。コンサート終盤、前田敦子の口から「私、前田敦子は、AKB48を卒業します」という衝撃の発表がなされました。結成当初からの悲願であった「東京ドーム公演」の開催が決定した直後の電撃発表は、会場を騒然とさせ、ファンの号泣と絶叫が響き渡りました。
同年8月27日、3日間にわたる初の東京ドーム公演を大成功で終えた翌日、原点である秋葉原のAKB48劇場で行われた卒業公演をもって、彼女はグループを巣立ちました。結成から約7年、夢をすべて叶え切った上での幕引きは、完璧な美しさを放っていました。