扇風機とサーキュレーターの最大の違いは、送風の「目的」と「風の形状」にあります。外見上の類似性から同列に扱われがちですが、内部の羽根(ファンブレード)形状やガードの構造は正反対のアプローチで設計されています。
扇風機は、人の肌に直接風を当てることで汗を蒸発させ、気化熱によって涼感を得ることを第一に作られています。そのため、風が広角にふんわりと広がるよう浅い角度の羽根が採用され、前面ガードも風を拡散させる格子状になっているのが特徴です。特にDCモーター扇風機静音性に優れたモデルでは、木の葉が触れ合う音以下の10〜20dB程度で「微風・うちわ風」を再現し、就寝時でも体への負担を最小限に抑えます。
一方のサーキュレーターは、部屋全体の空気を撹拌(かくはん)する「空気循環器」です。筒状のダクト構造と深くねじれたファンブレードにより、スパイラル状の細く力強いジェット気流を生み出します。扇風機の風が数メートルで減衰するのに対し、サーキュレーター風量到達距離は小型機でも15メートルから25メートル前後に達し、壁や天井に風をぶつけて室内に立体的な空気の対流を作り出します。