「低温期の最後に体温が一段と低くなる日(いわゆる陥落日・最低体温日)こそが排卵日である」という俗説は、長年まことしやかに語り継がれてきました。しかし、産婦人科の超音波断層法(経膣エコー)を用いた追跡調査によると、この低温期最終日の真相は一般的なイメージと大きく乖離しています。
臨床データが示す実際の排卵日と基礎体温パターンの内訳は以下の通りです。
・最低体温日の当日:約25〜30%
・体温が上昇し始める日(低温期から高温期への移行初日):約40〜50%
・最低体温日の前日:約10〜15%
・完全に高温期へ移行した後の数日:約5〜10%
つまり、ガクッと下がる日に排卵している女性は全体の約3割に留まり、過半数は「体温が上がり始めている最中」や「上がる直前」に排卵を迎えています。人によっては明確な体温の落ち込み(陥落)が全く現れず、緩やかに低温期と高温期が移行するケースも珍しくありません。「下がる日を待ってからタイミングを取る」というアプローチでは、すでに排卵が終了して受精可能期間を逃してしまうリスクが極めて高いのです。