「My pleasure」は、もともと「It is my pleasure to help you(あなたをお手伝いできて私の喜びです)」という完全な文から主語と動詞が省略された口語表現です。日本語の「どういたしまして」に相当する定番フレーズとして分類されますが、その根底にある心理的アプローチは一般的な返答と大きく異なります。
語用論(Pragmatics)の観点から分析すると、「You're welcome」が「あなたが感謝を受け取るのは当然の権利です(受け取って構いません)」という受容のスタンスであるのに対し、「My pleasure」は「相手のために行動したこと自体が、私にとってポジティブな体験であった」という自己の幸福感を表明するスタンスを取ります。このため、言われた側は「相手に負担をかけてしまったのではないか」という心理的負債感(気まずさ)を一切抱くことなく、純粋な好意として受け止めることができます。
よりフォーマルかつ丁寧に伝えたいシチュエーションでは、省略せずに「It's my pleasure.」とフルセンテンスで発話するのが基本です。さらに「It is always a pleasure to work with you.(ご一緒できて常に光栄に存じます)」のように文脈を広げることで、単なる挨拶を超えた強力なラポール(信頼関係)形成のツールとして機能します。