犬の痙攣発作の原因と正しい救急対処法|命を守るNg行動と受診基準

犬の痙攣発作の原因と正しい救急対処法|命を守るNg行動と受診基準

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一口に痙攣と言っても、その引き金となる病態は多種多様です。臨床現場において犬の痙攣発作の原因と理由は、大きく「頭蓋内疾患(脳そのものの異常)」と「頭蓋外疾患(身体の他の臓器や代謝の異常)」の2つに分類されます。

若齢期(1〜5歳頃)に初めて痙攣を起こし、MRIや血液検査を行っても脳や内臓に構造的な異常が見つからない場合、最も疑われるのが特発性てんかんです。犬全体の約0.5〜1%が罹患するとされる遺伝的要因が関与した脳の機能異常で、突然の意識消失とともに四肢をバタつかせる「全般発作」や、顔面の一部だけがピクピクと痙攣する「部分発作」を引き起こします。前兆として、落ち着きなく部屋を歩き回る、何かに怯えるように飼い主にすがる、大量のよだれを垂らすといった犬のてんかん発作初期症状が観察されるケースも珍しくありません。

一方、シニア期(7〜8歳以上)に入ってから初めて発作を起こした場合は、極めて警戒が必要です。この年代で発症する痙攣は、脳腫瘍による犬の発作症状や脳炎、脳梗塞といった器質的脳疾患が背景にある疑いが濃厚となります。老犬の痙攣発作と危険な前兆としては、発作だけでなく、普段の生活で同じ方向にばかり旋回する、壁に頭を押し当ててぼんやりする、性格が急変して攻撃的になるといった高次脳機能の異常が併発しやすい点が挙げられます。

さらに見逃せないのが、代謝性の異常です。特にトイ種の子犬やインスリノーマ(膵臓の腫瘍)を患う成犬に見られる犬の低血糖症と痙攣は、血中グルコース濃度が急激に低下して脳へのエネルギー供給が途絶えることで発生します。他にも、肝不全に伴う肝性脳症や腎不全による尿毒症、重度の電解質異常、さらには殺虫剤や誤食による中毒症状など、多角的な鑑別診断が不可欠です。

井上 凛
著者

井上 凛

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。