福島第一原発の周辺地域は、単なる被災地からの脱却を図っている。双葉町や大熊町では、廃炉技術やロボット開発の拠点が次々と立ち上がり、国内外から優秀な研究者が集まる「イノベーション・コースト構想」が具現化しつつある。かつて避難指示区域だった場所が、今や最先端テクノロジーの実証実験場へと生まれ変わっているのだ。
地元の若者たちにとっても、これは新たな選択肢となっている。原発関連の仕事といえば肉体労働というイメージは過去のものになりつつあり、システムエンジニアやデータ解析の専門家としての雇用が生まれ始めている。町の景色は、瓦礫の山から近代的な研究棟へと確実にシフトしている。