総裁選のパワーバランスを理解する上で避けて通れないのが、国会議員票と党員票の配分比率です。報道各社が伝える開票速報を正確に読み解くために、複雑な議席計算ルールをわかりやすく紐解いていきます。
通常の自民党総裁選(党規第6条に基づくフルスペック総裁選)の第1回投票では、「国会議員票」と「党員・党友票」が同数(1対1)で競われます。現職の自民党所属国会議員が380人であれば、全国の一般党員票も同じく380票分として換算され、総計760票の過半数(381票以上)を争う構図です。
ここで重要なのが、自民党総裁選におけるドント方式の計算です。全国の一般党員から集まった数十万から100万票超の投票は、候補者ごとの得票数を「1、2、3……」と整数で順次割っていき、商の大きい順に議員票と同数の党員票を1票ずつ割り振っていきます。得票率に極めて忠実な比例配分配分となるため、「地方で圧倒的な人気を誇る候補」はここで大きなアドバンテージを獲得できます。
しかし、第1回投票で過半数を獲得する候補が出なかった場合、事態は一変します。自民党総裁選の決選投票ルールでは、国会議員票は変わらず1人1票が投じられるのに対し、党員票は全国一括から「都道府県連代表票(各都道府県に1票、計47票)」へと大幅に圧縮されます。議員票のシェアが急増するため、第1回投票で党員票トップだった候補が、永田町の多数派工作によって決選投票で逆転敗北するという劇的なドラマが生まれる構造がここにあります。