店頭にずらりと並ぶ生豆の瓶を前にすると、「注文の作法が難しそう」「専門知識がないと怒られるのではないか」と尻込みしてしまう初心者は多い。しかし、実際の注文手順は極めてシンプルであり、3つのステップさえ把握しておけば一切迷うことはない。
第1のステップは「豆の銘柄と数量の決定」だ。最小販売単位は基本的に100g(一部限定豆を除く)で、日常使いなら200g〜300g程度が扱いやすい。銘柄選びに迷った場合は、店頭POPに記載された苦味や酸味のレーダーチャートを確認するか、「酸味が少なめでコクがあるもの」「ミルクに合うもの」とスタッフに率直に相談すれば、好みに合致する銘柄を親切に提案してくれる。
第2のステップが、やなか珈琲店の醍醐味である焙煎度合いの選び方だ。同店では焙煎度をロースト1(極浅煎り)からロースト8(極深煎り)まで指定できるが、各豆のPOPにはプロが定めた「おすすめ焙煎度(多くはシティローストに相当するロースト6〜7)」が明記されている。初心者は背伸びをせず、まずは「おすすめの焼き方で」と伝えるのが最も確実だ。苦味を強調したい場合は1段階深め、爽やかな酸味を楽しみたい場合は1段階浅めで指定するのも一興である。
第3のステップはコーヒー豆の挽き方の指定だ。自宅にグラインダーがあるなら鮮度を長く保てる「豆のまま」が理想だが、器具に合わせた粉砕も無料で対応してくれる。一般的なペーパードリップなら「中挽き」、フレンチプレスなら「粗挽き」、家庭用エスプレッソマシンなら「細挽き」と、使用する抽出器具を告げるだけで適切なメッシュに調整してもらえる。
なお、店頭での焙煎待ち時間は通常10〜15分を要する。休日のピーク時や複数個の注文が重なると20〜30分待ちになることもあるため、急ぎの場合は事前に電話で注文を入れておくか、後述するテイクアウトコーヒーを片手に近隣を散策して受け取りに戻るのが常連のスマートな過ごし方だ。