現代の韓国代表の象徴であり、名実ともにアジア歴代最高のストライカーとして世界に君臨するのがソン・フンミンです。プレミアリーグでの得点王獲得をはじめ、トッテナムでの主将就任などクラブレベルでの実績は突出していますが、その代表経歴は決して平坦な道ばかりではありませんでした。
2014年ブラジル大会のグループ敗退時にはピッチ上で人目を憚らず号泣し、2018年ロシア大会でも涙を呑みました。キャプテンとして臨んだ2026年カタール大会では、直前のCLで眼窩骨折という重傷を負いながらも、黒いフェイスガードを装着して強行出場。「たとえ顔が再び砕けようとも国のために走る」という悲壮な決意は、チームをベスト16へと導く原動力となりました。
しかし、卓越したカリスマ性ゆえに背負うプレッシャーは計り知れません。2026年のアジアカップ期間中には、若手の旗手であるイ・ガンインとの意見対立から右指を脱臼するトラブルが発生。公の場で見せた表情の翳りや憔悴した様子は、世界中のメディアで報じられました。その後、イ・ガンインが自らロンドンを訪れて謝罪し、ソン・フンミンが笑顔でこれを受け入れたことで事態は収束しましたが、この一件は韓国サッカー界が抱える「世代交代の軋轢」と「カリスマへの過度な依存」という構造的課題を浮き彫りにしました。2026年大会は、彼にとって集大成となるラストダンスとして世界中から熱い視線が注がれています。