当時の現場は、2026年代の徹底したコンプライアンス管理とは異なり、肉体と精神の限界を削る極限状態の連続でした。仮面ライダーアギト 撮影秘話 インタビューで要潤自身が振り返った現場の実態は壮絶を極めます。
G3のスーツは重量が20kg近くあり、通気性は皆無。真夏の採石場ロケではスーツ内部の温度が50度近くまで上昇し、脱水症状や熱中症の危機と常に隣り合わせでした。逆に真冬のロケでは、冷たい雨に打たれながら地面に倒れ込むシーンを何時間も繰り返しました。要潤は当時をこう回顧しています。
「演技の基礎すら分からない自分に対し、田崎竜太監督をはじめとする演出陣の要求は極めて厳格でした。『顔がかっこいいだけで芝居になっていない』と怒号が飛び、NGを30回以上出したこともあります。悔しさと酸欠で過呼吸になり、セットの裏でうずくまった夜もありました」
そんな過酷な現場を支え合ったのが、主演の賀集利樹でした。要潤 賀集利樹 共演エピソードとして有名なのが、撮影所近くのアパートで過ごした日々です。お互いに演技の壁にぶつかりながら、夜な夜なセリフの掛け合いを練習し、時には将来の不安を語り合って絆を深めました。劇中では「仮面ライダー」として互いの正体を知らぬまま交差する氷川誠と津上翔一の絶妙な距離感が描かれましたが、カメラの裏側では本物の戦友としての連帯感が育まれていたのです。