「ゲームをやれば誰でも気分爽快になる」という言説には重大な落とし穴がある。発散を意図したはずのプレイが、かえってメンタルを削り取ってしまう主な要因は以下の3点に集約される。
第一の罠は、ランキング争いや対人マルチプレイ(PvP)の落とし穴だ。他者との勝敗が絡むゲームは、勝利時に強烈な多幸感を得られる反面、敗北や理不尽なマッチングによってコルチゾールの血中濃度を急上昇させる。仕事で自尊心を傷つけられた状態のまま対人戦に飛び込む行為は、傷口に塩を塗り込むようなものだ。
第二の罠は、「デイリーミッション」がもたらす心理的拘束である。近年のスマートフォン向けタイトルは、継続ログインボーナスや限定報酬によってユーザーを縛り付ける仕様が多い。これが「今日中にログインしてタスクを消化しなければ損をする」という義務感に変化した瞬間、ゲームはリフレッシュ装置から新たな労働へと変貌してしまう。
第三の罠は、粗悪な広告表示による集中力の分断だ。「完全無料」を謳うタイトルの中には、ボタンを誤タップさせたり操作の途中で強制的に動画広告を流したりする悪質なマネタイズが散見される。爽快感を求めてダウンロードしたにもかかわらず、煩わしいスキップ作業を強要されるのでは本末転倒と言わざるを得ない。