刑期を終えて塀の外に出た瞬間から、犯罪者の出所後の現在には想像を絶する現実が待ち受けています。満期釈放や仮釈放で社会に戻った者たちを支える保護司の現場や、自立準備ホームの関係者への取材からは、現代社会特有の「見えない壁」が浮き彫りになります。
最大の障壁は、住居の確保とデジタル空間に残る「消えない前科」です。民間の賃貸住宅では、保証会社の審査やインターネット検索によって前歴が知られ、入居を断られるケースが後を絶ちません。身元引受人がいない元受刑者は、初日から野宿を余儀なくされることすらあります。
「出所時に支給される作業報奨金は、数年の服役でも数万円程度。携帯電話の契約も銀行口座の開設もできず、社会から完全に遮断された感覚に陥った」
これは、窃盗を繰り返して服役した元受刑者が手記の中で語った生々しい告白です。こうした絶望的な状況下で機能しているのが、民間の有志による犯罪者就職支援と協力雇用主の存在です。建設業、製造業、運送業などを中心とする事業主が、前科を承知の上で住み込みの仕事を提供し、生活基盤を支えています。
しかし、支援現場の負担は限界に達しています。ボランティアである保護司の高齢化と担い手不足が進むなか、前科者の社会復帰を一部の篤志家だけに依存するシステムは制度的疲労を起こしています。社会が「厳罰」を望む一方で、「更生のための受け皿」を拒絶するアンビバレンスが、皮肉にも次の被害者を生む温床となっているのです。