左脳と右脳の違いとは?科学的真実と巷の診断テストを徹底検証

左脳と右脳の違いとは?科学的真実と巷の診断テストを徹底検証

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1960年代にロジャー・スペリー博士らが行った「分離脳(てんかん治療のために左右の脳をつなぐ神経を切断した患者)研究」は、左右の脳機能の明確な役割分担を証明し、ノーベル生理学・医学賞を受賞しました。この偉大な研究成果が拡大解釈され、いつの間にか「人間は右脳型と左脳型に分かれている」という神経神話(ニューロミス)へと変化して世界中に広まりました。

近年のfMRI(機能的磁気共鳴画像法)を用いた最新の脳科学研究まとめによると、1,000人以上の被験者の脳活動を解析した大規模調査において、特定の個人が日常的に右脳または左脳だけを偏って活動させている証拠は見つかりませんでした。創造的な作業をしている最中であっても、数学の難問を解いている最中であっても、脳は常に左右を同時にフル稼働させています。

この左右の連携を担う主役が、大脳の底に位置する脳梁(のうりょう)です。脳梁はおよそ2億〜3億本もの神経線維の束で構成されており、右脳と左脳の間で毎秒膨大な情報を行き来させています。たとえば、相手の言葉の意味を左脳で文法的に理解しながら、同時に右脳で相手の微妙な表情の変化や声の震えを感じ取り、脳梁を通じて統合することで「この人は笑っているけれど本心では怒っている」という高度な社会的判断を下しています。

中川 明日香
著者

中川 明日香

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。