がん化学療法を受けた経験者の手記や公開アンケートには、回数を重ねることによる心身の疲弊が生々しく綴られています。乳がん治療を経験した30代女性は手記のなかで、「初回は身構えていたぶん『思ったより軽かった』と安堵したものの、2回目以降は前回抜けたはずの重だるさが抜けず、3回目にはトイレに行くのすら這うような状態になった。本気で心が折れかけた」と吐露しています。
医療関係者の臨床観察データでも、初回の投与を100とした場合、回数を経るごとに主観的なしんどさを訴える割合が急上昇することが確認されています。特に投与前の採血データでは「白血球数が基準値に戻っている」と判定されても、患者本人は激しい倦怠感や筋力低下、食欲不振を訴えるケースが目立ちます。数値上の「検査クリア」と患者の「身体感覚」との乖離が、患者を心理的な孤立へと追い込む背景となっています。
現場の看護師や薬剤師からは、「投与を重ねるごとに病院へ向かう足取りが重くなり、血管確保の針を見るだけで吐き気を催す『予期性悪心』を合併するケースも増える」という指摘がなされています。身体的なダメージの蓄積に加えて、「またあの苦しみが来る」という精神的ストレスが重畳されることで、回を追うごとにつらさが倍増していくのが実態です。