新奇場面とは?子どもの場所見知りと心理学・愛着形成の全真相

新奇場面とは?子どもの場所見知りと心理学・愛着形成の全真相

新奇場面とは?子どもの場所見知りと心理学・愛着形成の全真相についての最新情報をお届けします。

育児コミュニティやSNS上では、1歳半健診や入園時期を迎えた保護者から切実な悩みが寄せられています。育児相談掲示板では「支援センターの玄関に入った瞬間から大号泣して床に突っ伏してしまう」「他の子は楽しそうに走り回っているのに、うちの子だけ1時間ずっと私の膝から降りない」といった声が後を絶ちません。

乳幼児期の探索行動の特徴として知られるのが、精神分析家マーガレット・マーラー(Margaret Mahler)が提唱した「情緒的再給油(Emotional Refueling)」です。子どもは親から離れて見知らぬ世界へ歩みを進めますが、数分経つと不安が蓄積し、親のもとへ戻って抱っこされたり視線を合わせたりして安心感を「給油」します。エネルギーが満タンになると、再び未知の世界へと飛び出していくのです。

また、このメカニズムは人間特有のものではありません。動物行動学(エソロジー)における「新奇場面テスト(オープンフィールドテストや新奇物体テスト)」でも、マウスや霊長類は見知らぬ空間の中心部(危険地帯)には出ず、最初は壁際を走りながら徐々に安全を確認していく行動(走性)を示します。未知の領域に対する慎重さは、進化の歴史において生命を守るために不可欠だった生存本能そのものなのです。

中村 さくら
著者

中村 さくら

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。