ネットの用意がない際、SNSなどで「毛布用ネットや布団用結束バンド、大判バスタオルを巻いてヒモで縛れば代用できる」という裏ワザが散見されますが、これには重大な構造的リスクが潜んでいます。
紐やバンドで縛るだけの代用策は、洗濯中の激しい水流によって脱落する危険が極めて高く、ほどけた紐がパルセーターの軸に絡み付くとモーターの焼き付き事故を引き起こします。また、衣類用の角型ネットを複数繋ぎ合わせる方法も、継ぎ目のファスナーに負荷が集中して破断するため推奨できません。
また、「コインランドリーの大型機械なら水量が豊富だからネット不要」という言説も危険な誤解です。コインランドリーのドラムは家庭用よりも回転力・遠心力ともに遥かに強力です。側生地にかかる負荷は家庭用の比ではなく、キルティングの縫製が甘い製品をネットなしで投入すると、1回の洗濯で中綿が完全に千切れて団子状に固まる不可逆な損傷を招きます。
さらに繊細なケアが求められるのが「羽毛布団」の扱いです。羽毛は内部に空気を含みやすいため水に浮きやすく、ネットなしでは水面に浮いたまま水流に揉まれ、側生地が洗濯槽上部のフチと擦れ合って破れます。羽毛布団を洗う際は、筒型ネットでしっかりコンパクトにまとめた上で、必ず「中性のおしゃれ着洗剤(エマールやアクロン等)」を使用し、弱水流の毛布・布団コースを選択することが基本原則です。弱アルカリ性の普通洗剤を使うと、羽毛の天然油脂分が奪われて保温力が永久に低下してしまいます。