塩沢さんが命を吹き込んだキャラクターたちは、作品の枠を超えて今も燦然と輝き続けています。中でもファンの記憶に強く刻まれている代表的な配役を紐解きます。
『機動戦士ガンダム』マ・クベ
ジオン公国の冷徹な軍閥指揮官でありながら、骨董品を愛する独特の美学を持った男。散り際に放った名台詞「あの壺をキシリア様に届けてくれよ、あれは、いいものだ」は、塩沢さんの粘り気と気品のある声情によって、アニメ史に残る屈指のラストシーンへと昇華されました。
『北斗の拳』南斗水鳥拳のレイ
「義星」の宿命を背負い、友のために命を散らした孤高の拳士。「てめえらの血はなに色だーっ!!」に代表される魂の叫びは、普段の静かなトーンとの鮮烈なコントラストを生み、多くの少年の心を震わせました。
『銀河英雄伝説』パウロ・フォン・オーベルシュタイン
ローエングラム陣営の冷徹な軍師。義眼の光とともに紡ぎ出される淡々とした合理主義の言葉の数々は、塩沢さんの真骨頂とも呼べる抑制された名演であり、視聴者に底知れぬ凄みを与えました。
『クレヨンしんちゃん』ぶりぶりざえもん
塩沢さんのパブリックイメージを鮮やかに裏切った怪作です。「私は常に強い者の味方だ」「救い料1000万億円」といった理不尽極まりない台詞を、至高の美声で堂々と演じ切る怪演は、作品屈指の人気キャラクターを生み出す原動力となりました。
このほかにも、『聖闘士星矢』の牡羊座のムウやジェミニのサガ(教皇)、『名探偵コナン』の初代・白鳥任三郎警部、『ハイスクール!奇面組』の物星大など、演じた役柄の幅広さは驚異的というほかありません。