市長就任以降、小川市政が進めている主要政策は、まさに選挙戦で掲げた「暮らしを支える市政」の実装です。2026年現在の進捗状況と市民の生の声から、その成果と課題を検証します。
最も迅速に具体化されたのが子育て支援策の拡充です。前橋市では、小中学校の学校給食費に対する段階的な補助拡大や、18歳までの医療費窓口無料化の完全定着、さらに待機児童対策にとどまらない保育現場の処遇改善に着手しました。市内の未就学児を持つ保護者からは、「毎月の食費や医療費が高騰する中で、市政が直近の家計負担に向き合ってくれている実感がある」と極めて高い満足度が示されています。
一方で、論争が続いているのが交通インフラ政策と都市開発のバランスです。前体制が進めてきた自動運転バスの実証実験やMaaS構想に対し、小川市政は「先端技術の誇示よりも、免許返納後の高齢者が日常生活で利用できるデマンド交通や赤字ローカル路線の利便性維持」へと軸足を補正しました。これに対し、先端ITベンチャーや中心市街地の再開発を主導してきた一部のビジネス層からは、「前橋が全国に誇っていたデジタル先駆都市としての勢いが鈍るのではないか」という懸念の声も上がっています。
市庁舎内の職員との関係性について取材すると、「弁護士出身だけに決裁文書の法意やロジックのチェックは極めて緻密だが、トップダウンで頭ごなしに怒鳴るようなことはなく、現場担当者の説明を最後まで傾聴する」という評価が定着しています。情緒的なスローガンではなく、制度の持続可能性を重視する実務家市政が展開されています。