韓国語でわかめスープは「ミヨックッ(미역국)」と呼ばれます。「ミヨク(미역)」がわかめ、「クッ(국)」が汁物を意味し、韓国の日常食としても愛されている定番料理です。しかし、誕生日の朝に食卓へ上るミヨックッには、他のおかずとは決定的に異なる神聖な役割があります。
日本では誕生日の主役といえばケーキやご馳走ですが、韓国の誕生日風習では「自分が生まれた日は、母が最も苦しい陣痛に耐えて自分を産み落としてくれた日」という認識が根底にあります。出産直後の母親が体力を回復するために毎日飲んでいたわかめスープを、毎年自分の誕生日に同じように口にすることで、母の苦労を偲び、無償の愛に感謝を捧げるのです。
実際に韓国では、誕生日の朝になると親から「ミヨックッは飲んだの?」と連絡が来たり、子どもが母親に「産んでくれてありがとう」とメッセージを添えてスープの写真を送る光景が日常的に見られます。誕生日とは、自分が祝われる日であると同時に、母親への敬意を新たにする日として機能しています。