現在の菅直人氏を語る上で欠かせないのが、政治家時代から一貫して追い続けてきた「自然エネルギーへの転換」というライフワークです。
2011年8月、総理大臣退陣の条件として成立に執念を燃やしたのが「再生可能エネルギー特別措置法(FIT法)」でした。この制度が日本の太陽光発電市場を爆発的に広げたことは歴史的事実です。政界を引退した菅氏は、このテーマを理論だけでなく現場の実践として深める道を選びました。
特に注力しているのが、農地の上にソーラーパネルを設置して農業と発電を両立させるソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)の普及です。全国各地の実証農場や発電施設に自ら足を運び、農業従事者や技術者と意見を交わす姿が度々報告されています。政界の最高権力者を経験した人物が、引退後に泥臭い農業と再エネの現場に足を運び続ける姿勢は、従来の元首相像とは一線を画しています。
また、立憲民主党においては最高顧問などの肩書を退き、党の日常的な意思決定には直接関与していません。後輩議員からの求めに応じてアドバイスを送る相談役のポジションに徹しており、永田町特有の「長老政治」による弊害を自ら避けている様子がうかがえます。