大手アパレルECや消費財調査機関の統計データによると、ネット通販におけるファッションアイテムの返品・交換理由の第1位は「サイズ・フィット感の不一致」であり、全体の約55〜62%を占めています。
レビュー欄や知恵袋などで散見される「表記通りのサイズを買ったのにキツかった」という声の背景には、人間の姿勢変化に伴う寸法の変動があります。人間は直立している状態から椅子に腰掛けると、腹圧が分散され、内臓が押し出されることで胴回りの寸法が実質2〜4cm自然に膨張します。
立っているときに皮膚に密着するタイトフィットの服を選んでしまうと、デスクワークや食事の際に強い圧迫感を覚えることになります。アパレルのパタンナーが型紙を起こす際、直立時のヌード寸法に対してあらかじめ数センチの「運動量(ゆとり)」を組み込むのはこのためです。通販でジャストサイズを狙う場合でも、素材にポリウレタンなどのストレッチ混紡がない限り、指2本分(約3cm程度)の余裕を持たせる設計が必須となります。