江戸の風流から生まれたえんらえんらは、昭和から平成、令和のポップカルチャーを通じて新たな命を吹き込まれ、幅広い世代に認知される存在となった。
水木しげる氏の『ゲゲゲの鬼太郎』では、煙を吐き出して敵を翻弄する不気味な煙妖怪として登場。煙の中に巨大な顔を浮かべ、煙幕で相手を包み込む怪異として描かれ、妖怪としての知名度を全国区へと押し上げた。
さらに現代において大きなブレイクを果たしたのが、大ヒット作品『妖怪ウォッチ』だ。同作では「古典妖怪」の枠組みで登場し、紫色の煙をまとった妖艶で美しい大人の女性キャラクターとしてデザインされた。「とりつかれると煙に巻いたような態度をとって本心を明かさなくなる」という能力設定が付与され、可愛らしさと色香を兼ね備えた人気キャラクターとして不動の地位を築いている。
時代が移り変わっても、煙の持つ「実体のなさ」「ゆらめく美しさ」「人を煙に巻く曖昧さ」という本質的な魅力は色褪せることなく、クリエイターたちの創作意欲を刺激し続けている。