映画を観た多くの人が抱く「どこまでが実話なのか」という疑問ですが、本作の根幹にあるエピソードのほとんどは正真正銘の真実に基づいています。原作となったのは、著名なジャーナリストであるゲイリー・スミス氏が1996年に大手スポーツ誌『スポーツ・イラストレイテッド』に寄稿した渾身の長編ルポルタージュ「Someone to Lean On(支えてくれる誰か)」でした。
現実のジェームズ・ロバート・ケネディ(1946年生まれ)とハロルド・ジョーンズコーチが出会ったのは1964年頃のことです。映画では劇的なドラマ性を高めるために出来事が数年間の出来事として凝縮されていますが、実際の二人の友情と交流は映画の枠をはるかに越え、半世紀(50年以上)にわたって途切れることなく続きました。
映画の中で描かれた用具小屋でのいじめ事件も、実際に起こった出来事です。当時の南部社会には人種差別と障がい者への強い偏見が根強く残っていましたが、ジョーンズコーチは世間体や批判を一切恐れることなく、ラジオを保護し、家族同然に迎え入れました。ラジオの母親が急逝した際も、コーチ夫妻は彼が施設に送られることがないよう奔走し、生活のあらゆる面を支え抜きました。映画以上の深い献身が、現実の歴史として刻まれています。