なぜピサの斜塔は倒れないのか?奇跡の耐震と現在の傾きを徹底解明

なぜピサの斜塔は倒れないのか?奇跡の耐震と現在の傾きを徹底解明

なぜピサの斜塔は倒れないのか?奇跡の耐震と現在の傾きを徹底解明に関する詳細情報を丁寧にまとめました。最新データをご確認ください。

自然の免震効果があったとはいえ、重力による沈下は世紀を超えて進行し続けました。1990年、傾斜角が限界値とされる5.5度(垂直から約4.5メートル突出)に達し、いつ倒壊してもおかしくない危機的状況に陥ったため、イタリア政府は一般公開の無期限停止を決断しました。

斜塔を救うべく結成された国際委員会は、世界中から集まった様々な工法を検証した末、「アンダーマイニング工法(土壌掘削工法)」を採用しました。傾いている南側とは反対の北側地盤の下から少しずつ土砂を斜めに抜き取り、塔自体の重みを利用して北側へ自然に沈み込ませる繊細な手術です。

1999年から本格化したこの工事により、約38立方メートルの土壌が慎重に除去され、塔の頂上部は約40センチメートル北側へと引き戻されました。傾斜角は約3.99度(現在の傾き)まで戻り、2001年に約11年ぶりの一般公開が再開されました。

現在もセンサーを用いたミリ単位のモニタリングが24時間体制で継続されていますが、地盤の安定化は極めて順調です。専門家チームの試算では、人為的な破壊や激甚災害がない限り、今後200〜300年間は倒壊する恐れはないと結論付けられています。

林 結菜
著者

林 結菜

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。