『鬼滅の刃』で三木眞一郎さんが声を担当しているのは、物語開始時点で故人となっている炭治郎の父親、竈門炭十郎です。炭治郎をはじめとする6人兄妹の父であり、妻・葵枝とともに慎ましくも温かい家庭を築いていました。
炭十郎は生まれつき体が弱く、常に痩せこけて顔色もすぐれない病床の身でした。しかし、その内面には常人離れした精神力と武の極致が宿っていました。極寒の雪山で夜明けまで舞い続ける「ヒノカミ神楽」の継承者であり、すべての無駄な動きや感情をそぎ落とした境地に達していた人物です。
三木さんは、この「病弱でありながら底知れない凄みと慈愛を併せ持つ父親」という極めて繊細なキャラクターを、吐息混じりの柔らかな声色と芯の通った響きで見事に具現化しました。言葉数は少なくとも、炭治郎にとって超えるべき道標であり、精神的支柱であることが声のトーンだけで直感的に伝わってきます。