「4月〜5月生まれの星座だから、春の夜空に見えるはず」と思い込んでいる人は非常に多いのですが、これは天文学上の典型的な勘違いです。太陽がおうし座の方向に位置している4月下旬から5月中旬は、おうし座が昼間に太陽とともに空を運行しているため、地上から肉眼で見ることは一切できません。
実際の夜空でおうし座見える季節は、晩秋から冬(11月から2月頃)にかけてです。秋が深まる10月下旬頃から東の空に昇り始め、12月から1月にかけての深夜には南の空高くに威風堂々と輝きます。おうし座の目印となるのは、以下の天体観測スポットです。
まず見逃せないのが、牡牛の右目に位置する赤色巨星「おうし座アルデバラン」です。全天21の1等星のひとつであり、アラビア語で「後に続くもの」を意味する名の通り、プレアデス星団を追いかけるように夜空を昇ってきます。そのすぐ近くには「すばる」の和名で親しまれるプレアデス星団(M45)や、顔のV字型を形成するヒアデス星団が密集しており、肉眼や双眼鏡でも息をのむほど美しい光景が広がります。
さらに天文ファンが注目するのが「おうし座流星群いつピークを迎えるのか」という点です。おうし座流星群には「南群」と「北群」の2系統が存在し、南群は10月下旬〜11月上旬、北群は11月中旬に極大期を迎えます。出現数自体は1時間に数個から十数個程度と控えめですが、極めて明るく発光する「火球(かきゅう)」の割合が高いことで有名です。秋の澄んだ夜空で突如として強く閃く火球は、夜間観測における大きな見どころとなっています。