帝王・高山善広のリハビリと格闘界の現在地——事故から9年、検索され続ける画像が問いかけるリングの安全と尊厳

帝王・高山善広のリハビリと格闘界の現在地——事故から9年、検索され続ける画像が問いかけるリングの安全と尊厳

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あの夜の出来事は、会場にいた観客だけでなく、プロレス界全体を凍りつかせた。2017年5月4日、大阪市中央体育館で開催されたDDTプロレスリングの大会。高山善広はヤス・ウラノを相手に試合を行っていた。技の攻防の中、高山が放った回転エビ固め(サンセットフリップ)が崩れ、頭部からキャンバスへ真っ逆さまに落下の衝撃を受けた。

レフェリーは異変を察知し、即座に試合をストップ。リング上に倒れ伏したままピクリとも動かない高山の姿に、会場は異様な緊張感に包まれた。救急搬送された病院での診断は、頸髄損傷および肩甲骨骨折。医師から突きつけられたのは「首から下の回復の見込みは薄い」という厳しすぎる通告だった。格闘技界のアイコンとして頂点に君臨した男が、一瞬の事故によって人生を一変させた瞬間だった。

中村 さくら
著者

中村 さくら

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。